魔族の世界《煉獄》の果てで、千年の眠りについて いた太古の魔王。彼女は世界を壊すことに飽きてい た。 どれだけ破壊の限りを尽くしても、一番の願いは叶 わないのだから。そんな絶望の淵から、彼女を救い 出したのは一人の青年──最強ゆえ、ぼっちだった 魔王と煉獄へ落とされた人間が出会ったとき、歯車 は回り始める。 街でのんびり買い物や、名物料理に舌鼓を打つのも 歯車が回ったせい。日課のように参謀とした青年を からかうのも歯車が悪い。数多の勢力に戦いを挑ま れるのも大体歯車が原因だろう。 それでも、魔塔という歯車は回り続ける。魔王リエ ルダークが《天上》を滅ぼす、そのときまで。